「こういうことを

思いつく人の頭のなかを見てみたい」という本がたまにあるが、これはまさにそれ。


言葉人形 (ジェフリー・フォード短篇傑作選) (海外文学セレクション)
東京創元社
ジェフリー・フォード

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というアメリカのファンタジー、SF作家ジェフリー・フォードの短編集
こちらは「幻想文学中心」で「ほかの作家が書きそうにないもの」という目で見て選んだ十三篇を収録した日本オリジナルの短編集になるそうだが、「ほかの作家が書きそうにない」どころか、よくこんなこと思いつくな、と(褒め言葉ですよ)

ネタバレはなるべく避けていくと、たとえば表題作の「言葉人形」はかつて野良仕事に駆り出される子供たちのために用意されたイマジナリー・フレンド。偶然その小さな博物館を訪れた語り手の作者は、今はすっかり廃れてしまったその風習にまつわる恐ろしい出来事を聞かされるのだが、まずこの言葉人形という発想がすごい。それを肉付けしていく想像力あふれる文章に、予想外の展開を見せるストーリー。いや、どうしてこんなことを思いつくかな(だから褒め言葉ですよ)。

また芸術家に新聞記者がインタビューするという「光の巨匠」では、その「光の巨匠」と言わしめる光のイメージや現実と夢が響き合うストーリー構造で、読み終わるとまさかこんな話だとはと驚き。
あざやかな幻想をこれでもかこれでもかと描き出す「湖底の下で」「夢見る風」そのイメージだけでくらくらくるし。
王妃の死をきっかけにかりそめの王国が崩壊を迎えるという「レパラーダ宮殿にて」が最後に収録されているというのがまた。この短編集を構成した訳者さんや編集さん、うまいという。

そしてまた装丁も、読み終わってあらためて見るとぴったりはまっているな、と。
いや、こういう本を手に取ってページをめくっていくというのが、電子書籍にはない書籍としての形のある本の楽しみのひとつだな、と。いや、電子書籍でももちろん楽しんで読めると思いますけど。

という、よくこんなことを思いつくな(褒め言葉)というアイデアの妙と目くるめく幻想を綴る文章、予想外の展開を見せるストーリーと、なるほど「ほかの作家が書きそうにない」物語だ。おススメです

というわけで今日はこのあたりで。

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この記事へのコメント

Pumpkinface
2019年02月02日 08:15
面白そうですね~。原語で読みたい。Amazonで探してみっか、と思って、あ、日本限定の短編集かと気づく。サンプルダウンロードしちゃいましたよ、Kindleで。う~ん。3000円か。買っちゃいそう…。
昨年半ばに、聴いていないオーディオブックが150冊くらいあるのに気づいて、Audibleのメンバーシップを中断して必死で聴いているところなんですよ…。レクチャーものが沢山あって、一番長いものでは40時間以上。
とにかく手持ちのオーディオブックやオーディオ、ビデオレクチャーを視聴し終わらないうちは新しいものを買わない!と決めたんです…けど…日本語なら速く読めるしな~。
ああ、悩ましい。
ニヤリ本舗@管理人
2019年02月03日 20:43
そうなんです、日本オリジナルの短編集なんですよね、これ。
で、短編集なら他の本の合間に1本ずつと思ったら、結局こっちを先に読んでしまうし、私も積読が溜まっています。でも読む本がないと焦るより、まだこんなに読む本があるとポジティブに考えることにしてます(それ、何の解決にもなってない(笑))。パンプキンさまも無理せずポジティブにいきましょうよ(だからそれ何の解決にもなってないってば(笑))。

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