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<<   作成日時 : 2018/08/16 19:40   >>

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物語るという魔法というか。


図書館島 (海外文学セレクション)
東京創元社
ソフィア・サマター

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というこちらの本。
邦訳は初めてというか、そもそもこれが初の長編という新人作家なのだが、本書で世界幻想文学大賞と英国幻想文学大賞を受賞しているそう。

原題は"A Stranger in Olondria" で、オロンドリアという大国に南の海の紅茶諸島という異国からやってきた主人公の青年ジェヴィックの数奇な物語
この紅茶諸島には書き文字というのがないようなのだが、オロンドリアとスパイスの交易をしていたジェヴィックの父親がオロンドリアから教師を招き、その師に教わってジェヴィックは初めて文字に触れ、書物を通して知ったオロンドリアに思いを馳せるという。そして父の跡を継いでついに憧れの地オロンドリアに足を踏み入れるのだが、その途中ある少女と知り合ったことから、オロンドリアを支配する「石の司祭」と、古い神々の信奉者との争いに巻き込まれる。

と、大体見開きにある程度に、ネタバレにならないようにかいつまんで言うとそういう話なのだが、ストーリーという幹もさることながら、この話はそこから伸びた枝葉がすごいというか、作者は詩人でもあるようなので、何というのか、色や感触まで伝わってきそうな描写や言葉遣い、途中差し挟まれるさまざまな作中作があざやかで、文章や物語を味わう感じ。これ、訳者の方もかなり苦労しただろうけど、きれいな文章になっている。
またファンタジーではあるし、オロンドリアや中心部とは違う周辺諸国、紅茶諸島の風土や信仰などが書き込まれていたり、魔法めいたものも登場するものの、派手な魔法や戦いは登場しない。というか本書の1番の魔法は物語じゃないかという、物語を愛する人のための物語の話かと。

ちなみに邦題は、おそらく主人公が途中連れてこられた島のことを指すと思われるのだが、『図書館島』と聞いて思い浮かぶような、それはもう世界中のあらゆる書物が集められた夢のような島というイメージではまったくないし、そこで主人公が図書館に行くこともないので、ちょっとミスマッチだったかな。

そしてファンタジー好きにはたまらない、お約束の地図も巻頭にあるし、日本版用に用語辞典もついているのだが、ひとつ難をあげればこれは原作者の方の不備だと思うのだが、せっかく地図があるのに、本書に出てくる地名はちょっとこれより縮尺の小さい地方になるのかな。それで載っていなかったり、わかりにくかったりしたのが残念。

あと本書には姉妹編があって、そこでどうやらこちらでは語られなかった人物や、こちらにも登場していた人物が登場するらしい。これがシリーズとして続くのかどうかは今のところ分からないが、姉妹編は読んでみたい。と思わせるに十分面白かった。おススメ

というわけで今日はこの辺りで。

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