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zoom RSS そして先週から。

<<   作成日時 : 2017/10/11 11:33   >>

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(というよりその前からだが)大変なことになっているカタルーニャだが。

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今回の騒動の発端は10月1日にカタルーニャ自治政府がスペインからの独立の是非を問う住民投票を実施
これに対してスペイン政府は認めない、憲法違反だと圧力をかけ、しまいには治安部隊を送り込んで力づくで投票所を閉鎖し、住民投票を阻止しようとした。それに対し賛成派の住民たちが投票所に泊まり込むなどして介入を阻止しようとし、投票日当日にはスペインの治安部隊が投票所に強行突入して住民を引きずり出すなど、あちこちで衝突が起こりけが人も多数出た(上の写真はそれに抗議する人々)。
のだが、投票の結果9割以上が独立賛成に票を投じたという(ただし投票率は50%を切っていたが)
これに対し、スペイン政府はそもそも住民投票自体が無効だからこの結果は認められないとはねつけ、国王までもが(スペインは立憲王制)テレビで住民投票は違法で非民主主義的だと批判。これに対しカタルーニャ自治政府のプチデモン首相が住民の声を無視していると反発、独立宣言に踏み切る意向を示し、ついに10日住民投票の結果を受けて独立宣言にサイン。ただし、数週間日延べしてスペイン政府との対話を模索するということで、まだこれ、混乱が続きますよね。

http://www.bbc.com/news/world-europe-41574172

で、そもそもどうしてカタルーニャが独立すると言い出しているのかと言えば、これは別に今急に出てきた話ではなく、数年前にも一応住民投票をやっている(このときは州政府がやった正式なものではなかったようなのだが)。
というのも、スペインという国は中世にはイスラム勢力の支配下にあったところを数百年越しでレコンキスタ(国土回復運動)をやっていくつかの小国ができ、それがそれぞれ争っていたのを、15世紀末に例のコロンブスを支援した女王とその配偶者の王が結婚して国が合併して一応統一国家ができたという。

ところが、国としてはスペインという国にまとまったものの、内部はそれほど統一されていなかったというか、そもそもスペインはカトリック国で教会の力が強かったし、王家もこのあとハプスブルク家になってコロンブス以降の新大陸探検&植民地化で得た富で「日の沈まぬ国」と呼ばれる繁栄を謳歌するものの、実はその富は国王に吸い上げられて社会には還元なかったからスペインは全体として平均的にのちの産業化のための資本蓄積も起こらず貧しいままだったし、各地の貴族の力も強くてフランスほど強力な絶対主義の中央集権政府というのができなかった。から、もともと別々の国だったそれぞれの地方の独自性というのが残ってしまったというか。フランスは例えばアカデミー・フランセーズという機関を作って言語まで純粋なフランス語という形で統一を図っているが、スペインはカタルーニャはカタルーニャ語を話すし、バスクはバスク語を話すというふうに残っているし(まあ途中でそういった独自の法体系や言語がマドリードの中央政権に一応弾圧されたりはしているのだが)。

しかし20世紀になり、第二次大戦直前にスペイン内戦が起こってフランコの独裁政権が誕生すると、この支配下でカタルーニャの独自の文化や言語も厳しく禁止・弾圧されてしまうという。特にカタルーニャはフランコに抵抗して戦った人民戦線が強かったというせいもあるのだろうが。しかもスペインは第二次大戦では中立国だったため、フランコの独裁政権は20世紀後半まで残ってしまったという。その独裁政権下で思想のみならず文化まで力ずくで弾圧されてきたというのは、ほんの数十年前まで続いていた出来事なんですよ

で、フランコが死んだあとようやくスペインは国王を復活させて民主化し、カタルーニャも念願の自治を認められるわけなのだが、しかし昨今のEUの問題を見てもおわかりのとおり、スペインがやはり経済が弱いというのは昔と何にも変わらなかった。ギリシャが破たんするする・EU脱退するすると騒いでいたが、次はスペインかイタリアかというくらいだったわけだし(今もそうだけど)。
というスペインのなかで、カタルーニャは比較的豊かな地域だった。にもかかわらず特にリーマンショック以降の、ただでさえ弱いスペイン経済がさらにドツボの危機のツケを税金という形で払わされたり、緊縮財政で支援をカットされたりというのが重なると、もともとマドリードのスペイン政府にそれほど帰属意識もないし、フランコ支配の記憶からむしろ不信感の方が強いだろうし、スペイン政府も政府でこのところごたついたりしていまいちリーダーシップがあれだし、Brexit もあったし、というので住民投票に踏み切ったのだろうと。

そしてそれに対してスペイン政府が完全に対応を誤ったというか、話し合いじゃなく違憲だと突っぱねたり、独立派の拠点を強制捜査したり、治安部隊を派遣して力づくで潰そうとしたり、これもう完全にフランコ時代を思わせるような、カタルーニャの人々にとって悪夢を呼び起こすような所業ですよ。
そもそも今回の住民投票は、投票率が半分切っているわけだし、そのなかにはひょっとして治安部隊に妨害されて投票できなかった人もいるかもしれないが、独立には反対で棄権したという人もいるわけですよ。やはりマドリードの政府がどれだけ気に入らなくても独立には慎重な人々がいるわけですよ。このところの独立への動きに対して抗議のデモを行っている住民もいるんですよ。
だからここはもうちょっと話し合いで何とかならないのかと思うところへ、フランコ時代を思わせるような強硬手段に打って出れば、そりゃ反発しかないだろう

まあスペインの方も、独立の火種がくすぶっているのはカタルーニャだけではないし、この動きがよそに飛び火してあちこちで独立運動が起こっては大変だとか、そのなかには最近武装解除したばかりのバスクもありますからね。また武装闘争が再燃しては困るという懸念もあったのかもしれないが、それにしたってもう少しやりようがあったんじゃないかと思わないでもない。

というわけで今日はこのあたりで。


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